
●「仁丹と広告」に寄せる、わたしの思い
幼稚園から小学校低学年の頃、わたしはいつも仁丹を持って、銀の粒を口に放り込んでました。目覚めている限り、頭が痛くて、おなかが痛くて、関節が痛くて、めまいがして、気持ち悪かった時代です。
ちなみに世間のひとの「健康」がどんなものなのか、実感できるようになったのは、この十年くらい。
それから数十年後、「白仁丹」なる商品が出ました。昔、常に仁丹を持ち歩いていたわたし、ハッカ好きのわたしは、さわやかハッカ味の白仁丹(ちなみに銀粒仁丹のうん十倍の、直径1センチくらいの玉でした)に飛びつきました。
しかしこの当時、こんな話が聞こえてきました。白仁丹のコマーシャルは非常に大きな話題になりながら、商品の売れ行きは…。
わたし自身は大好きで、たくさん買い込んだ白仁丹でしたが、残念ながら、すぐに市場から消えてしまいました。
広告だけで商品を売るわけではありませんが、それでもあれほどコマーシャルが話題になりながら、それが商品の売れ行きに反映しなかったことはやはりショックでした。そのことが、わたしの中で「広告は誰のための、なんのためのものなのか? <広告は商品を売ってなんぼ>ではないのか?」意識を目覚めさせました。それがわたしが成功報酬型の「アフィリエイト」に強い関心を寄せるようになった元でもありました。
●マス広告をもっと脅かしてほしい「成果報酬」
「成果報酬」は「お客様の厳しい視線と判断」というフィルターで、「価値ある広告」を明確にしてくれます。
もちろん、マス媒体を使った純広告には純広告の意義があり、「成果」が上がらない広告が「価値のない広告」とは限らないのですが…。
それでも広告の料金と、そのもたらす結果とは必ずしも比例していないことは事実。
たとえば商品パンフレットは、購入の最後の意思決定に大きな効果を持っていますが、テレビCFや新聞広告の制作費に比べ、パンフレットの制作費は極端に安価です。媒体費の高いものほどクリエイティブ費用も高い傾向があります。しかし、媒体費の高い、広く多くに伝えられるメディアが必ずしも商品を売る上で一番役立つわけではありません。
こういった広告費用の不明瞭さが、純広告に対する不信をここまで深くしてしまい、「テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
」などという本が大ヒットするような状況に陥ってしまったのですから、反動として、成果だけで計ろうとされる時代が来るのもやむをえない気がします。
ネット広告、なかでもアフィリエイトは純広告のシェアを奪いつつありますが、もっと奪ってもかまわない…と本業純広告のコピーライターである、わたしは感じています。
●「成果報酬」だからこそ許されること
プロのコピーライターとして、素人が「広告」する文章を書くことについて、思うところはたくさんあります。
たとえばプロのコピーライターは薬事法をはじめ、広告にまつわる法律を心得ています。プロが書くコピーが実際に一般の目に触れるメディアに載るまでには何重ものチェックがあります。新聞社の定めるコードもあります。たくさんのチェックを通過できるコピーでなければなりません。
素人が法律も何も知らずに書く広告には危うさを感じずにいられません。
それでも「成果報酬」であり、たとえ「儲けたい!」といいかげんなレビューを書いても、いいかげんなものは読み手によって見抜かれるからこそ、アフィリエイトは成り立っているのではないでしょうか。
アフィリエイトの良さは、「成功報酬」のほかに、常に「アフィリエイター側が選べる」ことにあります。どのマーチャントと提携するか、どの商品を紹介するか、どんな紹介の仕方をするか、すべてアフィリエイター側が選べます。
だから世間が「ちょうちん持ち。やらせ記事」のように非難したとしても、誇り高きアフィリエイター、真にマーチャントと買い手の両方に貢献できるアフィリエイターは、「本当に自分がいいと思えるものを、自分の言葉で推薦しているから、恥ずかしくない」と言えるのです。
●「書くだけで報酬」がもたらす「レビュー」の質の危機
なので最近、あちこちのASPが開始した「レビューを書くだけで支払う」スタイルには反対。買い手に貢献しない、ちょうちん記事を書いても報酬が得られるスタイルだからです。
レビューの審査もまた、アフィリエイトを危うくする気がします。審査があると言われれば、一般のひとは「商品の欠点に触れられない」、「悪いことは書けない」と感じるでしょう。
「審査を通るレビューを書けば報酬」は、レビューの価値を下げてしまう、純広告にはない、「売る側と買う側の中間に立つアフィリエイターによる商品紹介」をするアフィリエイトマーケティングの存在意義を失わせかねないと思います。
●感慨深く、仁丹の新製品を味わって
…とまあ、先日、リンクシェア見本市で、久しぶりに目にした「森下仁丹」の名前とあのトレードマーク。なんだか、とても感慨深い思いでした。

このときいただいた「ビフィーナS〈スーパー〉
」をさっき試しに飲んでみました。

まず袋から皿に出してみると、白い粒の間に、なにやら黄色い、弾力のある球体の粒がはいっています。
口に入れてみると、白の粒は酸味があり、これが乳酸菌なのかなあ…すっぱい、ヨーグルト味です。でも黄色い粒をかむと、これは全然ちがう味。オリゴ糖かしら?
久しぶりに「仁丹」製品を味わっていました。思い、いろいろあれど…